【旧】陰にすら咲けぬ花

ADHDと双極性障害と並走しているホムラディキ(30代)のブログです。202024年5月現在、今後は何を書くか検討中。

【映画感想】フランコフォニア

2017〜2016年ごろから
下書きに放ったらかしていた記事を
とりあえず上げています第二弾



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2017年4月27日付け下書き
映画『フランコフォニア』の感想です。

公式作品紹介はコレ。
http://francofonia.jp/

YouTubeはコレ。

https://youtu.be/6IA-tBfypYg?si=q0wSYCbRIKmfKnUh

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この映画を目にしたその日は、
北朝鮮による新型ミサイルが打ち上げ失敗に終わったという速報を聞いたあとであった。
今やその土地ごと蒸発させ、焼き尽くす化学兵器をどこもかしこもが持っている時代だからこそ、
これからは遺産をどう守るか、考える必要があるんじゃないかな、
等とぼんやり思ったりして。



ヨーロッパはまさに、同じ床の上をみんなで陣地とりをして繰り返した一つの一家ともいえよう。
そこにロシアが入るか入らないかは、日本人としてはピンとこないかもしれないが。


ナポレオンが言うように、ルーブルの収蔵品を「手に入れるため」に争っていたという点もわからなくはない。
ルーブルには、ヨーロッパの歴史だけではなくアフリカやアジアも含まれた「世界人類の発展の歴史的」がある。
歴史の帯を見るかのような回廊型展示場(廊下ではない。決して。)



第二次大戦における日本の場合、
京都や奈良は文化的・歴史的価値の集合下都市であったために空爆を免れたという。


まあ日本は欧米から見たら、まだまだ「異国」でしかなく、
そらを攻める為にわざわざ日本文化まで研究し、これを決定したとかいうけれど。
またタリバーンによる仏像破壊とも訳が違う。






話がSFに代わってしまい恐縮だが、
私の好きなガンダム宇宙世紀物の1つに
ガンダムユニコーン』がある。


主人公の父が属するのは、
表向きには世界中の美術品を保護する財団だ。
私たちは今、
来るべき脅威に備えはあるのだろうか?
マ・クベ
「これはいいものだ」
と言い、キシリアへ届けてくれと託したあの壷も、
どさくさのなかで無くなったろう。


「自由、平等、平和」
としか口にしないエキセントリックな女性が現れる訳なのだが、
これが変な赤い帽子を被ってるせいもあってか
フランス革命の自由を擬人化した、
あの像の女性だと気づくのには少し時間がかかった。
まぁ、
ナポレオンは帽子がなくてもすぐわかるが。
そう言えばナポレオンの「ポーランドの妻」こと
マリアとも、名前似てるよね、マリアンヌ。



物語終盤、
監督がメッテルニヒとジョルジオールを小部屋に招き、終戦後の二人の人生を伝える。


ジョルジオール館長が「ルーブルは?」
と問う、その答えは返さない。
「馬鹿馬鹿しい」
と繰り返し、先に席を立つ彼と、
返す言葉もなく、静かに日陰に座るメッテルニヒ伯爵とが、
対照的であった。




横長の画面を左右に区切る
鏡を使っての過去と現在の入り交じり方
当時の記録映像を交えた、コラージュとも言える表現。
現代のルーブルから見えるナチスの飛行機は、不思議と虚の世界とは言えない真実味ある迫力を感じた。
エキストラは現代のまま40年代の扮装でそこに立つ登場人物との滑稽さは、
そこに確かにある歴史の新旧を思い起こさせるとも取れる。
(わたしには可笑しく思えて無理だったけど。)




エカテリーナが造らせた
エルミタージュとの比較。
ロシアには長い長い冬、亡くなる大勢の人。
閉館を余儀なくされたエルミタージュの悲劇。
ナチスの計画では、いずれエルミタージュも保護下に置く予定だった。


南部へ疎開するフランス国民達が既に車を所持していて、長い渋滞を作ってた。
日本なんてコこの頃は富裕層ですら、リヤカーだぞ、リヤカー。
そりゃ勝てんわな、と思ってしまった。